CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.4 の開催によてせ(前編)


2013年6月15日(土)にグランシップ(静岡市)にて、 CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.4 というセミナーイベントが開催されます。私も実行委員をやらせていただいています。本セミナーについて、企画の持ち込みをした立場から、企画意図や想いをご説明できればと思います。

※ このブログは、あくまでも私個人の考えです。CSS Nite 及び CSS Nite in SHIZUOKA の考えを代表するものではありません。

「Webデザインの過去・現在」 〜 Webサイト制作は大変革期

セミナーのテーマが「Webデザインの未来」ですので、話はWeb制作現場の過去・現在からスタートします。

ここ数年で、ユーザーサイド・制作サイドともに、これまでとは違う環境・作法が求められれています。大きな環境変化(デバイス・技術仕様・制作ツールなど)が幾重にも重なって押し寄せており、特に制作サイドの疲弊が大きいようです。製作者からは「10年後もこの仕事を続けてられるだろうか…」「新しい技術のキャッチアップが大変」「労力のわりに儲からない」という声が聞こえてくる昨今です。

デバイスの変化

これまでのWebサイトは、ほとんどがパソコンで見るものでした。そこにこの数年で急速にシェアを拡大したのが、指先で直接画面に触れて操作するスマートフォンやタブレット端末です。形状や操作方法の違いは、新しい利用シーンを生み出しました。とくにスマートフォンは、「いつでも、どこでも使えるパーソナルなインターネット利用端末」となり、人々のインターネットとの関わりかた大きく変えています。

ユーザー環境が先行して変化しており、これまでのようにパソコンを前提としたWebサイトでは、ユーザーニーズにうまくフィットできません。制作サイドには、新しいデバイスに対応したWebサイト制作が求められています。そのノウハウは、進行形で日々進化している状況です。

技術仕様の変化

ここ数年、Web制作者界隈ではHTML5(HTML5とその周辺技術、CSS3、jQueryなどを含む、今日的実装技術の総称として)が注目の的です。次世代のWebを支える技術仕様ですね。これまでは先進事例のように扱われてきましたが、昨今急速に採用が拡大しています。

新しいものを取り入れること自体、多くの労力が必要です。それ以上に苦労するのが、既存環境(古めのパソコン・ブラウザー)での閲覧に与える影響を最小限に抑えながら、新技術の導入を進めることが求められる点です。古い技術に新しい技術を馴染ませながら、徐々に移っていかなければなりません。

ツールの高速進化

Web制作の現場でも、ツールの進化による自動化・難易度の低下は進みます。jQueryはJavaScriptの敷居を劇的に下げました。昨年発売された「ホームページ・ビルダー17」では、WordPressとの連携機能が搭載されました。Twitter Bootstrapにより、デザインが苦手なプログラマーも、整ったWebページを作成できます。

ツールが便利になり技術的難易度が下がると、その技術は急速に普及します。だれにでも扱える技術では、差別化ができません。そのため価格競争に陥りがちです。まして、制作者でなくても扱えるモノとなると…。

※ 適正な価格競争は望ましいのですが、行き過ぎた低価格になりがちなのがこの業界です。もともと過当競争気味だったとも思いますが…。

こういう事象って、Web制作界隈に特有なことでしょうか

これまで見てきたように、特にここ数年はWeb制作界隈も大変です。多くの現場は、数年前のCMのように若者が「私はWebデザイナーになる!」と笑顔で言うような、スタイリッシュで華やかな仕事ではありません。

しかしこんなことは、どの業界にも起きてることだと思うんです。「技術革新・トレンドの変化」「社会情勢・生活環境の変化」「法制度や規制の改正」「業界・企業の盛衰」など、どんな仕事も変化を迫られ、低価格化の圧力を受けています。ほかの業種に比べてサイクルが速いとは思いますが(そこも大問題ですが…)。

そこに希望の光はないのか?


さて、そんなWeb制作の現場ですが、希望の光はないのでしょうか。残念ながら、一朝一夕で状況が打開できる特効薬はありません。結局のところ、コツコツと積み上げていくしかないと思います。

だた、そんな大変革期だからこそ、チャンスも眠っているのだと思います。新しいコトに誰よりも先にチャレンジできるチャンスです。その分野の第一人者になれるかもしれません。価格以外の競争力で高額受注できるかもしれません。自分たちのビジネスに合わせて「RWDなら一番」「UXなら一番」「日本で一番」「静岡で一番」etc...、バリエーションや組み合わせは無限です。

もちろん主戦場を制作現場からスライドする(営業/コンサル、ディレクションに特化など)という選択肢もあります。「生き残る手段」は、視野を広げればいくらでもあると思います。

そんなこと言われてもさ…と思うかもしれません。言うは易し、行うは難しですよね。あくまで気持ちの持ちようです。そういう気持ちでいないと、いつまでたっても状況は変わらないですよ。周りだって頑張ってるんですから。そして、どうせなら夢や目標は大きく持ったほうがいいと思うのです。


ここまで言っておいて何ですが、 CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.4 でも、「答え」を提示できるわけではありません。それでも何かのヒントにはなると思っています。きっと、1年後や3年後に「あのセミナーがターニングポイントになった」と感じてもらえるんじゃないかと

「激動の今を嘆くより、“新しいWebの可能性”に踏み出そう」
CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.4 が、そんなキッカケになれば幸いです。


で、肝心のイベントの中身は…


待て次号!ということで、後編に続きます。近日中にエントリーを更新します。
(4/12追記 : 後編を公開しました)


プロフィール

矢部 靖人(hamnaly)

いくつかの制作会社でWeb制作やDTPから営業まで経験し、2010年に独立。現在はhamnaly(ハンナリィ)という屋号で、Web制作を中心に地元企業のWeb活用を応援する事業を模索中。理想は高く現実は厳しく、下請け制作を中心に生きています。Knock! Knock! 主催。

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