【前編】静岡県のウェブ制作系セミナー / 勉強会 のこれまでとこれから

これは、静岡 Advent Calendar 2019 の8日目の記事となります。

CSS Nite in Shizuoka, vol.8「アドビ最新動向」は、2020年1月27日(月)・静岡市にて開催



まず告知から。
次回の CSS Nite 静岡版は、2020年1月27日(月)・静岡市にて開催します。テーマは「アドビ最新動向」。ライト版的な位置づけで、平日夜に少人数(20名ほど)での開催となります。

アドビのAI「Adobe Sensei」が制作にまつわる「作業」を劇的に簡単にしてくれるなど、デスクトップアプリはここ数年で進化しています。中でも2017年にリリースされた XD は、スクリーンメディアのデザインツールとして高い注目を集めています。

また、Photoshop iPad版(2019年リリース)や Illustrator iPad版(2020年リリース予定)など、デスクトップ版の機能をタブレットのインターフェースで使うアプリも続々と発表されています(これまでの「簡易版」的な位置づけではなく)。

こういったアドビ製品の動向・最新情報を、講師の鷹野さん(CSS Nite主宰・Adobe Community Evangelist)にご紹介いただくセミナーとなっています。


お申し込みは https://cssnite.doorkeeper.jp/events/101566 から。


静岡県のウェブ制作系セミナー / 勉強会 のこれまで

CSS Nite in Shizuoka は、2010年 9月 23日に三島市にて vol.1 を開催(初回)。そう、初回は三島市での開催でした。これは、運営母体(CSS Nite in Shizuoka 実行委員会)が、沼津・三島のウェブ制作者仲間を中心に結成されたことによります。vol.2 以降は会場を静岡市に移し、2020年1月の次回で8回目となります。

本エントリーは、この10年ほど CSS Nite in Shizuoka の「中の人」をし、ウェブ制作系セミナー/勉強会を見てきた私の個人的な想いです。

2010年代の前半 : 空前の大勉強会ブーム

2010年代の前半は、空前の大勉強会ブームだったと思います。静岡県内でもウェブ制作系セミナー / 勉強会が盛んに介されていた時期で、「週末ごとにセミナーがある」くらいの勢いでした。勉強会同士の横の繋がりも強く、「合同勉強会」「合同忘年会」など交流も盛んでした。ピークは2013年ごろだったように思います。

ATND や connpass など、イベント開催を簡易にするサービスも次々にローンチし、Twitter や Facebook が広まったこの時期。さらにはスマートフォンが急速に普及。ウェブ制作界隈的にも、「スマホ対応」「CMS」「JS/jQuery」「表示速度最適化」「UX」「SNSマーケティング」「ウェブ解析」など新しい技術・トピックが次々に登場したのも、勉強会ブームを後押ししたのでしょう。

CSS Nite in Shizuoka も、vol.5 までが2015年までの開催です。ここまでが、私が中心になって企画・運営をしていた時期。vol.5 をもって引退宣言をするわけですが、「隠居」が駆り出される日々は今も続いています。引退の真相(笑)は...。vol.3〜5あたりは実質ワンオペ状態で、だんだんと目的を見失っていったころ。開催に対する周囲の期待や義務感が先行し、それをプレッシャーに感じていたように思います。

Knock! Knock! の誕生と転換

私が「Knock! Knock!」という勉強会を始めたのもこの時期(2012年〜)です。勉強会を立ち上げた狙いは、「静岡在住のスピーカーを輩出する」でした。「東京で活躍する著名な制作者を呼ぶ」形式ではなく、「地元発」を目指す。そういう人を探し、ステップアップしていく足場を目指したものです。

結果は...そうそう目論見どおりにはならないものですね。「地元発」のスピーカーを増やすはずが、最終的には毎回私が話し続ける勉強会になっていました。「矢部さんはデキるかもしれないけど...」と言われたのはショックで、そもそもの話「セミナー / 勉強会の講師をやってみたい」というニーズがほとんどなかった...わけです(やりたい人は、自分で機会を作っていたようです)。

そこでピポットし、普通の勉強会(講師を招聘して開催)にしたのが2014年。とは言え、方向性を見失った状態なのは変わらず、2016年あたりからは 夏の飲み会 + 年末の勉強会 の年2回開催といった状況。

また、「自分が話す」という意味では、2014年から専門学校の非常勤講師を始めたことも大きかったかもしれません。それまで Knock! Knock! のためにやっていたことがルーティンになり、勉強会運営が負担に感じるようになったのは否めません。

そして停滞期へ

そんな感じで、私が関わっているセミナー / 勉強会は、2015〜16年あたりで転換期を迎えます。ほかの勉強会の事情はわかりませんが、同じようなタイミングで休止・終了していったように思います。

停滞期を迎えたウェブ制作系セミナー / 勉強会。そこに隆盛する言語系勉強会。さらに新しい波が...と続くわけですが、以下、後編(2010年代後半〜これから)に続きます。

この時期に開催された ウェブ制作・IT系セミナー / 勉強会のリスト

  • CSS Nite in Shizuoka
  • 静岡JavaScript勉強会
  • Hamamatsu.rb
  • 日本Androidの会浜松支部
  • WordBenchしずおか(WordBench自体が終了)
  • デジタルアシストWeb勉強会(活動終了)
  • TalkNote(活動終了)
  • 静岡アクセス解析勉強会(休止中?)
  • UX Shizuoka(休止中?)
  • 静岡ITPro勉強会(休止中?)
  • 静岡Developers勉強会(休止中?)
  • エンジニア◎リング(休止中?)

hamnalyの2016-17の取り組みとUXデザイン

そもそもUXデザインって何?

はじめに「UXデザインって何?」という点を整理しておきたいと思います。ひところはUXというだけでマサカリが飛んできましたからね。

UXという言葉が認知されるようになったのは、2010年代に入ってからと記憶しています。それまでも、ユーザーのことを考えなかったわけではありません。今と同じくらい考えていました。ただ、ユーザーを考えることについて、具体的な手法としては確立していなかったと思います。

それが2011〜13年ごろにかけて、HCD(人間中心設計)やサービスデザイン・デザイン思考といった手法・方法論と、UX / UXデザインというワードが結びつき、急速に広まったように思います。「ユーザーを考えること」について、共通のツール・認識で話せる環境が生まれた、と言えるかもしれません。

ここでは、UXデザインを「HCD(人間中心設計)やサービスデザインなどの方法論に基づく、ユーザー体験を向上させる手法」として話を進めます(異論はあるかと思いますが)。

hamnaly が UXデザインに取り組む目的

hamnaly がUXデザインに取り組む目的。それは「儲けたいから」です(身も蓋もない話で申し訳ありません)。儲けたいと言っても、適正な利益を得たいという意味ですよ。

お客さまが儲かる → 自分たちも儲かる

私たち制作会社のwebデザイナーは、お客さまのwebサイトを制作するのが生業です。「ユーザー(お客さまのお客さま)」の体験が向上し、「発注者(お客さま)」のビジネスに貢献できれば、自ずと次の仕事に繋がると考えています。逆に、望むような成果が得らなければ切られます。コレって、お互いに不幸ですよね。

そうならないための「何か」が必要。hamnaly の場合、それが「UXデザイン」の取り組みです。webサイトをただ作るだけでは効果は望めないご時世。「何を作るか」「どんな施策が有効か」を、ユーザーの行動に即して考えるツールとして使用しています。カッコいいデザイン・使いやすいシステム・メンテナンス性の高いコードなど制作スキルも、ユーザーが満足し、お客さまのビジネスに寄与して初めて意味を持つのですから。

企画・提案で差別化したい、願わくば費用をいただきたい

ところで、地元のweb制作プロダクションで、提案・見積もり作成に費用をいただいている会社はどのくらいあるでしょうか。不勉強にて恐縮ですが、寡聞にして存じません。提案・見積もり作成には、「ヒアリングしてお客さまの意図を引き出し、必要な施策を検討、何をどう作るかに落とし込む + 費用を積算する」という膨大な作業が必要です。

UXデザイン的な手法を取り入れると、提案のための企画・設計段階に従来以上のコストがかかります。hamnaly のような体力のない制作プロダクションでは、確度の低い提案は回避せざるをえません。そういう案件を避けるために、企画・提案段階から少額でも費用をご検討いただける方を優先しています。

とは言え、他所の制作会社と同様な提案では、費用をご検討いただけるはずもありません。hamnaly では、最初のヒアリング時に カスタマージャーニーマップ や ビジネスモデル・キャンパス の作成ワークショップを行ない、プロジェクトの概要・与件を改めて整理しています(ここまで無料)。そのうえで、具体的な提案を行うか(有償)をご検討いただきます。こうして、提案・提案の前にお互いに様子を伺う機会を作っているわけです。

でも、「銀の弾丸」はない

hamnaly では、2016年から提案・見積もりの有償化の取り組みを進めてきました。2017年はよりレベルアップして提案できるよう、さらに精進して参ります。

と言うと順調なようですが、そうでもありません。取り組みに価値を感じてくださる方ばかりではなく、まして費用が絡めば…なかなか厳しい状況です(ここは「ご縁がなかった」と割り切っています)。

何より「UXデザインに取り組めば、広告効果がアップする」というほど単純な話ではありません。確率を上げるには役立ちますが、仮説はあくまで仮説(ときに外れます…)。また、期待が大きくなりすぎて、変にハードルが跳ね上がることもあります。UXデザインはユーザーの思考・行動をモデル化するくらいのもので、具体的な施策を立案し、webサイトに落とし込む企画力・実装力は別に必要です。

UXデザインの入門セミナーが 2017.1.21・静岡市で開催

そんなUXデザインの入門セミナーが、2017.1.21(土)・静岡市 で開催されます。書籍『IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術』『IA/UXプラクティス モバイル情報アーキテクチャとUXデザイン』などの著作で知られる 坂本貴史さん(ネットイヤーグループ) を講師に、UX入門セミナー + カスタマージャーニーマップ制作ワークショップが行われるようです。

自分もカスタマージャーニーマップ制作の精度を高めたいと考えていますし、業務ではファシリテーションする側ですが、ワークショップの参加者としての気付きも大きいと思います。参加者として楽しみです。みなさまもぜひご参加をご検討ください。


名 称 : 今からはじめるUXデザイン+ワークショップ
日 時 : 2017年1月21日(土) 13:30〜17:00
会 場 : B-nest 静岡市産学交流センター 7階 大会議室
定 員 : 50名
参加費 : 一般 4,000円、当日 5,000円(いずれも税込)
主 催 : コマンドシフトシズオカ実行委員会
http://shifshizu.net/vol02/


「静岡開催!インターネットとデザインで変わる地域社会の未来セミナーvol.1【デジタルハリウッド】」に参加しました


2015年 5月19日(火)・CCC 静岡市クリエーター支援センター(静岡市)で開催れたセミナー 静岡開催!インターネットとデザインで変わる地域社会の未来セミナーvol.1【デジタルハリウッド】 に参加しました。

※ 本ブログ記事は、個人がセミナー参加を通して感じたことです。セミナーの要約でも、セッションの感想でもなく、ただの所感であり、たぶん役に立ちません。

セミナーの概要

セミナーのサブタイトルに「少子高齢化時代を生き抜くために今、知るべき5つのコト」とあるように、これから本格化する人口減少・高齢化社会に対して、現役世代がどう捉えていくか、というものです。

  • 21世紀前半で、機械化・IT化・人口知能の発達により、仕事の内容・あり方は大きく変わる
  • 日本の人口が1億人を割るであろう2050年前後においても、食料の輸入は必須
  • それ故、外貨獲得のための国際競争力保持が必須
  • そんな高齢化社会においては、女性も高齢者も働かなければ社会は維持できない

お話を要約すると、上記のような夢も希望もないものでした。


プロフィール

矢部 靖人(hamnaly)

いくつかの制作会社でWeb制作やDTPから営業まで経験し、2010年に独立。現在はhamnaly(ハンナリィ)という屋号で、Web制作を中心に地元企業のWeb活用を応援する事業を模索中。理想は高く現実は厳しく、下請け制作を中心に生きています。Knock! Knock! 主催。

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