| 読書記録
『安売りしない会社はどこで努力をしているか?』を読みました

まずこの本は、安売りしない為の営業HowTo本ではありません。会社のブランディングを考えるための本です。コーポレートブランディングを確立することで、結果として「価格競争に巻き込まれない」「安売りしないですむ」という論旨の書籍です。
とかく不景気な世の中が続くと、売れない → 価格を下げる → 競合との価格競争 → ジリ貧というサイクルに陥りがちです。その流れを断ち切り、コーポレートブランドを確立 → 顧客のファン化 → 価格以外の価値で勝負=安売りしない状況を作ろうというように展開しています。
上記の観点から、「価値の再発見」「社員教育」など考えるべきヒントが紹介されています。故に現場の営業マン向けではなく、経営者・マネージャー層・自営業者向けの書籍です。
わたし自身も個人事業主ですので、考え方は非常に参考になります。とかく目先の受注を優先するあまり、控えめな(=安めの)見積りを作成してしまうことがあります。「利益を出すことから逃げない」というのは耳の痛い話です。しかし、大事なことだと改めて気付かされました。
残念な点としては、方向性が決まったあとのブランディングの方法論については繰り返し述べられていますが、肝心の方向性を定める部分にはほとんど触れられていません。ここをもっと深く追求して欲しかったです。そこに行きつけていないと、後半の方法論がどこか他人ごとのように聞こえてしまいす。